2023年7月17日月曜日

クラッチシェルが落ちた

少し前から症状はあった。セルでエンジンをかけるときに、ギアとギアがこすれるような音がし、空回りする。いったんメインキーをオフにすると直る場合が多いので、電気系のトラブルだと思っていた。

そのうちソレノイドを見てみようと思いつつ、走行に支障はないのでそのまま乗っていた。そして6月のある日の夜。いつものように海の方を流して自宅近くまで帰ってきたあたりでクラッチが軽くなった。ケーブルが切れかかった?

それでもなんとか走れるし、自宅はすぐそこなのでそのまま走る。自宅手前200mの最後の信号で、クラッチがすかすかになった。けれどもなんとか走れる。どーゆーことだかさっぱりわからないけど、とりあえず自宅まで帰る。

ガレージでダービーカバーを開けてみると、なんと、クラッチシェルの位置が違うじゃないか。おまけに金属粉もそこら中にこびりついている。


本来の位置より1インチくらい下になっている


これは、まずい。

インナープライマリが割れた? メインシャフトも折れた? 過去イチの重症じゃないか? だいたい、スタージスのインナープライマリはリプレイス品が作られてないから程度の良い中古を探すしかない。何年か前にヨーロッパの会社で売っていたのを見たっけな。

などなど、こんなのでよく帰ってこられたなぁと今になって心臓がバクバクしてきたけど、冷静に考えてみると、メインシャフトが折れていたら絶対に走れない。走れるわけがない。

ってことでバラしてみると、クラッチ・ハブがメインシャフトから外れていた。緩み止めがついているし、150N/mくらいのトルクで締め付けるクラッチハブナットが見事に外れていた。そして、かまぼこ型のクラッチ・ハブキーは2つに割れていた。こんなことが起きるんだ。

セルを使ったときの異音はクラッチシェルが外側に出てしまったことでピニオンギアと噛まなかったためだ。

プライマリー周りを全バラして、金属片が飛び散っているパーツ類をきれいに洗浄。プライマリーベルトは見た目はなんともないけど、金属片で傷がついただろうし、エンジン側のスプロケとクラッチシェルが偏芯した状態で走っていたのでもうだめだろう。むしろ、よく切れずに持ちこたえたなと思う。

いつも通りJ&P Cyclesでパーツをオーダーしようとするんだけど、プライマリーベルトがなにかの規制でUS外に発送できないと。隣のカナダにも送れない。でもこんな時に限ってUS在住の友人が日本に帰ってくる。もう、これ以上ない良いタイミング。ありがとう。ちなみに前回来たときは、オイルクーラーを持ってきてもらった。今回は前以上に美味しい焼肉をご馳走させてもらったので(妻が探したお店)、また次回もなにかあったらお願いできると勝手に思っている。

エンジン側のスプロケに噛ませてあるゴムダンパーは熱でやられたせいか半分くらいの大きさになっていて、全然役目を果たしてない。このパーツもリプレイス品が作られてないので、天然ゴムのブロックを削って自作していたんだけど、どーも天然ゴムは熱に弱いらしい。熱に強いゴムダンパーを探してみるも、50mm角の立方体サイズとなると見つからない。

もしかして、と思ってパーツナンバーで探してみると、あった。しかも日本の会社に。でも送料込みで7,000円以上する。数日悩んでオーダー。ちゃんと、それ用に作られたパーツは、値段が高くても、素人が自作したそれっぽいパーツよりも価値があるってことが多い。

ヒールがヘタっていたポイントを、2時間くらいかかって苦労してブルーストリークのものに変え(ヒールが低くて苦労した)、プライマリー周りを組み直し、梅雨明けの東京でテストライド。スプロケのダンパーを変えたから変な金属音もしなくなったし、元通り。

来客があってこの1週間あまり自分の時間がなかったけど、昨夜は久しぶりにいつものルートを50マイルくらい散歩。マフラーの穴を8mmに拡大してみたけどまだ物足りないことを除けば相変わらず楽しい。このバイクがあってよかった。