2023年10月2日月曜日

夏の終わりに

夏は乗らないつもりだったんだけど、7月にプライマリ一式を全バラ修理し、ノーマルのマフラーがつまらすぎるので歴史的遺産を毀損する後ろめたさを感じつつ遮蔽板に穴を開け、6mmから始めて2mmくらいずつ大きくしながら20mmまで拡大したところで「どんなに穴を大きくしても、音量は変わるけど音質は決して好みのものにならない」と悟り、元のドラッグパイプ(トルクコーン+バッフル)に戻し「やっぱハーレーはこれだよ」と大満足で、記録を見ると8月末~9月末の1カ月で1,060キロ走ったことになっている。

そして昨日の日曜日、ものすごく久しぶりに近所のMさんと走りに行ける機会があった。10月というのに最高気温31度の予想なので涼しい山の方に行こう、去年の秋にも行ったし1カ月前にも行った富士山に行こう。富士山スバルラインも開通しているので天気次第で、標高2500mの富士宮口か、もう少し標高は低いけど迫力ある富士山を眺められる須走口に行ってみよう、と6:30に出発した。

渋滞もなく快調に高速を走り、最初の休憩地点の中井PAに。朝食を食べてバイクに戻るとまあまあのオイル漏れが。

クランクケースのブリーザー経由じゃないし、よーく見るとブレーキペダルにはオイルが飛び散った跡がわかる。どうやらギアケースカバーの付け根から漏れているようだけど、ネジが緩んでいるわけでもないし、そこから漏れる理由も見つからない。

Mさんと少し悩むが、原因が何にしてもこのままツーリングを続けるたぐいの故障じゃないので、ここでバイバイ。超久々のライドだったけど私はここまで、Mさんには一人で目的地を目指してもらう。残念すぎるし申し訳無さすぎる。

Mさんが出発したあと、ラテンな感じの外人が近くで見守っていたようで話しかけてきた。聞けば、車の修理のエンジニアをやっているとのこと。役に立つことがあればと思って見守っていたのだろう。原因はわからないけどちょっとしたオイル漏れだし、家までは無事に帰れると思うから大丈夫だよと伝える。「車屋でオイルを買っていく良いよ」と言い残して軽のワゴンに乗り込んで出発していった。ドミニカ出身の5~6人だったけどありがたいことです。

とりあえずエンジンをかけて様子を見てみることにすると、ギアケースカバーとクランクケースの合わせ目からオイルが吹いていた。劣化したガスケットがひび割れしたんだろう。



家でバラしたあと


ガスケットのひび割れ

オイルタンクのオイル残量を見ると、見た目全く減ってない。僅かなオイルを撒き散らしてしまうってのはあるけど、これなら問題なく家まで帰れる。

さて、オイル漏れは以上だけど実はもう2つ不具合があって、一つはリアシリンダーのエキパイを止めているボルトのネジ穴が馬鹿になっていた。もともとリコイルしてあるんだけど、そのリコイルが抜けかかっている。これは、こまった。ネジ穴をアルミ溶接で埋めて再度タップを切ることになりそう。自分じゃできない。

もう一つはヘッドカバーのロッカーシャフトを止めているボルト部分からのオイル漏れ。これは何度か直しているんだけど完全には直ってなかった。結構な量が漏れて、エキパイに垂れている。ここは自分で直せるけど、ヘッドカバーを温めてガスケットを塗らないとならないのでめんどくさい。

たぶん、3カ月に一度くらいは何かのトラブルが出ている。金も時間もかかるしなんのためのバイクだ?と思う。トラブルフリーで乗りたいときに乗れるバイクが欲しいというのは年一くらいでよく考えることなんだけど、今日が今年のその日になった。結構強烈に。今までバイクに25年乗ってきたけど、これから乗れる時間はそんなにないだろう。その残った時間でバイクを修理したいのか? いや乗り回したい、って思った。

そんなもやもやした気持ちを抱えながら、身支度を整え帰路につく。

天気の良い、ガラガラの東名高速上り線を、いー音を出しながら走っているとさっきまでのもやもやした気持ちはなくなって、「このバイク」を修理してまたとーぶんは乗っていようって気分になった。すぐ壊れてめんどくさいし重いしスピードは出ないしもう一度言うけど本当にめんどくさいんだけど、乗っててこんなに楽しいバイクに巡り会えるとはなかなか思えない。あぁ、このバイクがあってよかったなと。