2012年6月24日日曜日

プライマリーベルト

切れる切れると評判のプライマリーベルトが切れたのは以前のエントリに描いたとおりです。組んでからだいたい1700キロでした。

切れる理由はプライマリケース内が熱くなるから熱が原因だ、とはよく言われていますが、個人的にはそんなことはないと思っています。もし熱が原因であれば、カリフォルニアの暑い夏を走っていた時や、都内の渋滞にはまっていた時に何度も切れていたはずでしょうから、熱というのはまったくゼロではないにしてもベルトが切れる原因としてはかなり低い要因じゃないかと思っています。

それでも、自分ではちゃんと組んだつもりのプライマリベルトが切れてしまうと、「やっぱり熱が原因じゃないの?」などと都合のいいように思ってしまうのが自分らしいところですw。

そんなわけで、なんで切れたのかちょっと考えてみました。それが解決されない限り、このまま組んでもまた切れてしまうでしょうから。


  1. ベルトの張りすぎ
  2. クラッチシェルとエンジン側プーリーのズレ
  3. 異物を噛んだ


1の熱は疑いたくもなりますが、やっぱり冷静に考えると無いと思います。熱なら今までに何度も切れていたもおかしくないはずです。

2のテンションについては、これもやっぱり無さそうです。記憶が正しければマニュアルの規定通りにテンションをかけていたはずです。

3は怪しいですね。今思えば、ピニオンギアーのところにかましてある銅ワッシャーがクラッチシェルのギアと干渉していた(=クラッチシェルのオフセットが変わった可能性が高い)ですんで。

4の異物は、ケース内を注意深く見ましたがそれらしいものはなかったし、ベルトに傷もないようでしたので可能性は低いです。

ということで、3のズレにアタリをつけて組み直しです。プライマリベルトは以前使っていた古いやつです。

クラッチハブが見えるところまでバラし、クラッチハブとインナープライマリの縁までとの距離(a)と、エンジン側にあるプーリーに対しても同様にインナープライマリの縁までの距離(b)を求めて、その差分 c=a-b に対する適切な厚みのワッシャーがエンジン側のシャフトについているか調べます。ちなみにこれ、マニュアルに記載されている調整法ですね。

ハイ、大胆に違っていました。だいたい1.5mmくらいずれいてました。ココの精度はコンマ数ミリの世界だったはずなのでこれは致命的ですな。プライマリベルトを換えたときに、以前きっちり数値を出したから大丈夫!とたかをくくって調整しなかったのが敗因ですね。同じパーツ(クラッチハブなど)を使っても同じように組めているとは限りらないってことがよくわかりました。

ということで、今つけているクラッチハブだとどうしても調整範囲内の数字が出ないので、これまた以前つけていた古い、ちょっと段付きのクラッチハブに戻して組み直しです。

マニュアルとは違うやり方ですが、写真のように直角定規を使ってプーリーとクラッチシェルのツライチを合わせます。





コンマ数ミリの精度を出すのは難しいですが、なんとか納得行く範囲に調整して完了。しばらくは近場を流して様子を見ることにします。プライマリケース内にベルトのかすが溜まってたりしなければなんとか大丈夫じゃないかと思います。

The Luckiest Day

さて、6月に入りました。ジメジメしていて雨が多く、バイクに乗りたくなる日が少ない嫌なシーズンですが、真夏のうだるような暑さに比べると随分マシだなぁというのが今年の素直な気持ちです。

そして、梅雨の晴れ間の日曜日、バイクで行ったことのない箱根まで足を伸ばしました。今まで2回トライして、2回ともエンジンがかからなくていけなかった箱根、リベンジです。さくっと出発できて1時間ちょっとでターンパイクの入り口へ。意外と近いんですね。

ターンパイクの途中

ターンパイクは、車も少なく景色も良く良い道でしたが、なんというか、料金が高いっすね、ハイ。帰りは下道でバス渋滞にはまりながら下って来ました。

そして家に到着。駐車場の前で方向転換した時にエンスト。セルボタンを押してもフィーンという音がするだけです。以前エボに乗っていた時にオーバーランクラッチがイカれた時を思い出しました。

まさかプライマリーベルトが切れたとは全然思っていませんでしたが、ケースを開けてみたら見事に切れていました。

プライマリベルトが切れた


これ、もちろんものすごくクリティカルです。出先でこうなったらレッカーしかありません。クルマのファンベルトが切れたときはストッキングで、なんて話もありますがSturgisのプライマリベルトが切れたら自分と動かないバイクををどう家まで帰すかマジメに考えなければなりません。

それにしても、箱根まで往復200キロ以上のツーリングなのに、ツーリングから帰ってきて、ガレージの目の前で切れるなんて、運がいいとしか言いようがないですね。放っておいてもどこかで切れたはずのベルトですが、これ以上ない最高の場所で切れてくれました。

ものは考えようといいますが、The Luckiest Dayで間違いないですね。