2012年11月3日土曜日

エレクトリカルイシュー

電気のトラブル。一番知識があるし、一番得意な電気のトラブル。けれども、ほぼ完璧に理屈がわかっていても実際のトラブルシューティングとなるとまったく話は別ってのの良い例が今日のメンテでした。

セルボタンを押してもセルが回らない、ってのが再発です。先日直せたはずだったのですが、結局は直ってなかったです。

スターターリレーがカチカチいっている音は聞こえてるんですがね、ソレノイドを動作させる(その後スターターモーターが動く)だけの電力が無さそうな感じです。

ということで、テスターを出して色々なところの電圧を調べます。


上の図は、セルボタンを押した時の動作をものすごく単純化した図です。どーゆー理屈でセルが回るかを説明します。

まずセルボタンを押すと、①のラインに12V の電圧がかかり、スターターリレーを動作させます。

すると、スターターリレーに来ている②のラインが③のラインにつながります。②のラインは12V なので、それが③につながることによってソレノイドに12Vの電圧がかかり、結果としてセルモーターを動作させる、ってことですね。

そして、今回のトラブルの原因はソレノイドに来ている③のラインの電圧が低すぎるのが問題っぽいので早速そこから計ってみます。

結果は7.6Vでした。
こんなかんじでテスターを用意し、
端子をうまく当てたままセルを押す
結果は7.6V

なにが、どうして4.4Vも落ちるのかさっぱりわからなかったけど、ここからトラブルシュートの始まりです。

まずは大本のバッテリー。通常時12.2V、セルを押すと11.5V。まぁまぁ正常の範囲とします。

次にブレーカーのところ。通常時11.8V、セルを押すと9.5V。ん〜〜〜? ブレーカーに来るまでに0.4Vおちて、セルを押すと更に2V以上落ちるの? 

ってことで、これらのファクトから言えることは
  ①バッテリー→ブレーカーで2.5Vの電圧降下
  ②ブレーカ→ソレノイドで2Vの電圧降下
この2つの問題があるってことですね。ここからロジックの旅が始まります。

ゴールに着くにはまずどちらか一つを直して様子を見て、必要があれば残りの一つもなおすという手順です。ということで簡単そうな②の問題から取り掛かります。

ブレーカーとソレノイドの間にあるのはスターターリレーなので、まずソコを疑いたくなりますが、それはないでしょう。リレーの構造からして2Vの電圧降下が起きるなんてありえません。

ということで、③のラインの抵抗値を測ります。ほぼ0Ωです。②のラインが怪しいです。実は②のライン、ブレーカーから直できているわけではなく、すぐ近くにあるブレーキスイッチの12Vラインから分岐させています。

その分岐にはコネクター形状のものを使っているのですが、そのコネクタが接触不良を起こしている可能性があります。ということで、ブレーカーから直接一本線を引っ張り、スターターリレーにの線に繋ぎ直します。接続部分はちゃんとハンダ付けします。


これならバッチリです。②のラインの抵抗値を計ってみますがもちろん0Ωです。②のラインが0Ω、③のラインも0Ω、理屈通りならソレノイドには9.5Vの電圧がかかるはずです。

そして、セルボタンを押してみますと、、、、セルは回りません。9.5Vでは足りないのか、それとも直したつもりで直っていなかったのか。先程と同様に各所の電圧を測ってみます。

ブレーカー→9.5V、ソレノイド→7.5V。全然変わっていません。
どう考えてもスターターリレーで2V下がっているとしか思えません。

散々悩みます。今日は負けたな、と思い始めます。

そして、ふと、コネクタの接触部分が汚れいてることに気づいたのでパーツクリーナで洗浄してみます。

ビンゴ!

セルボタンを押すと何事もなかったかのようにセルが回ります。

今回もまた遠回りしましたが、目の前にあるパズルはなんとか解けました。
そして、得意な電気のはずだったのですが、コネクタの汚れで電圧降下、しかも2Vも、というところまではまったく気が回りませんでした。2〜3時間のパズルでしたが意外なところに正解の鍵がありました。

トラブルを直したバイクでいつもの城南島へ。夕焼けがキレイですなー。


明日は予定していたイベントがキャンセルになったのでどこかに遠出してみます。

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